ゴミ屋敷のまま実家を売る 片付けてから売るか、そのまま買取に出すかの比べ方
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ゴミ屋敷になった実家は、片付けてから売ることも、荷物が残ったまま買取業者に売ることもできます。違いは、片付けの費用と手間を先に自分で負うか、売却代金の側で調整するかです。買取に出すと、成仏不動産のページには、市場価格の60〜70%程度になる場合があると書かれています。
片付けを頼むときの注意があります。家庭から出る不用品を運べるのは、市区町村の一般廃棄物の許可を持つ業者か、市区町村から委託を受けた業者です。環境省は、無許可の回収業者を使わないよう呼びかけています。売るときは、売主が知っている不具合を伝えないと、契約不適合責任を免れません。この記事は一般的な情報で、個別の判断は不動産会社や弁護士、市区町村の窓口などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
片付けてから売るか、そのまま売るかを比べる軸
比べる軸は、費用、時間、売れる価格、売主の責任の四つです。

表は左右に動かして読めます。
| 軸 | 片付けてから売る | そのまま買取に出す |
|---|---|---|
| 費用 | 片付けの費用を先に払う | 買取業者が片付ける。費用の扱いは業者ごとに違う(成仏不動産は売却代金との相殺と説明している) |
| 時間 | 片付けが終わるまで売り出せない | 査定と契約が先に進む |
| 価格 | 状態によっては仲介で売り出せる | 業者の再販を前提とした価格になる |
| 責任 | 仲介で売れば、契約不適合責任と告知を売主が負う | 契約書で責任の範囲を決める |
どちらが得かは、ゴミの量、建物の傷み、立地で変わります。この記事は一般論の整理です。数字は、各業者の見積りで確かめてください。
実家が相続したままで、登記の名義が亡くなった人のままなら、売る前に相続登記が必要です。相続登記をしていない実家を売るときを先に見てください。草木が茂るなど管理が行き届かない場合は、管理不全空家・特定空家になった実家を売るときの内容も関わります。
家庭の不用品を運べるのは許可を持つ業者
片付けで出る不用品を、業者に運んでもらう場合の決まりです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないと定めています。許可は更新が必要です(同条第2項)。

環境省の「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」のページは、次のように説明しています。
- 市区町村の許可や委託を受けずに、回収業者が家庭のごみを集めることは認められていない。
- 家庭の廃棄物を回収できるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つ業者か、市区町村から委託を受けた業者に限られる。
- 産業廃棄物処理業の許可は、家庭の廃棄物を回収する許可ではない。古物商の許可は中古品の売買の許可で、廃棄物は回収できない。
- 無許可業者の例として、大音量で町中を巡回する、空き地で回収する、チラシを配る、インターネットで広告を出すものが挙がっている。
- リスクとして、不法投棄、廃家電の破壊によるフロンガスや鉛の放出、不適正な管理による火災、高額な処理料金の請求が挙がっている。
廃家電は、リサイクル料金と収集運搬料金を払い、家電リサイクル券で引き渡しを確認する仕組みがあります。まだ使える家電は、古物商の許可を持つ信用できるリユースショップに買取を頼む方法も案内されています。
実家の片付けで出る物を、市が家庭ごみとして扱うか、事業のごみとして扱うかは、市区町村の判断が関わります。どの業者に頼めるか、市の許可業者の一覧はあるかを、まず市の廃棄物の担当に問い合わせます。これは環境省のページも、処分の方法が分からないときの窓口として挙げています。
片付け業者に頼むときは、見積書に、一般廃棄物の許可番号か、市の委託であることが書かれているかを確かめます。特殊清掃や遺品整理を伴う場合は孤独死があった実家を売るときも参考になります。
そのまま買取に出す 成仏不動産の公式ページの記載
成仏不動産の「ゴミ屋敷物件買取」のページに書かれている内容を、そのまま整理します。ほかの業者の扱いと同じとは限りません。

- ゴミ屋敷の状態でも、そのままの状態で買い取るとしている。
- 不要な荷物、家具、家電は、買取のあとに同社が片付けるとしている。
- 貴重品や思い出の品は、事前に申し出れば、清掃のタイミングで返送、現金化、残置物撤去費用への充当ができるとしている。
- 売却に伴う諸費用を不動産の売却代金と相殺して、持ち出しなしで進められるとしている。この進め方は、同社で買い取る場合が条件とされている。
- 物件の状態やゴミの量によっては、買取価格が市場価格の60〜70%程度になる場合があるとしている。
- ゴミの種類や量によっては、買取を断られることもあるとしている。
- 査定は無料で、遠方への出張も無料としている。
同じページに、片付け費用の目安として、人件費は1人1日あたり1万〜1万5000円程度、という記載があります。同社の料金表ではなく、一般論として書かれた数字です。実際の費用は、現地を見た見積りで決まります。
買取業者に査定を頼む手順と、免許番号の確かめ方は事故物件の買取業者に査定を頼む手順と比べる項目にあります。複数の業者から見積りを取り、書面の内容を並べて比べます。
売主の責任と告知 契約不適合責任
片付けたあとに仲介で売る場合も、そのまま買取に出す場合も、売主の責任は契約書の内容で決まります。民法の基本は次のとおりです。

- 引き渡した物が契約の内容に適合しないとき、買主は補修などの追完を請求できる(民法第562条第1項)。
- 追完がされないときは、代金の減額を請求できる(同法第563条)。
- 買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知しないと、請求できなくなる。ただし、売主が不適合を知っていた場合などは別(同法第566条)。
- 責任を負わない特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実は免れない(同法第572条)。
ゴミ屋敷では、荷物の下にある床の傷み、においの染みつき、害虫などを、売主が知っている場合があります。売主が知っている事実は、売買契約の前に書面で伝えます。伝えていない事実は、免責の特約があっても責任を免れません。
買取業者へ売る場合は、契約書で責任の範囲が決められることがあります。条項の中身を、契約前に読み、分からない点は不動産会社や弁護士に尋ねます。契約不適合責任と免責特約の仕組みは雨漏り・シロアリのある家を売るときに詳しくあります。告知の範囲の考え方は事故物件の告知義務とガイドラインの要点が参考になります。
動く順番と、相談先
片付けるか、そのまま売るかを決めるまでに、次の順で進めると手戻りが減ります。

- 登記の名義と、相続人の全員を確認する。
- 市区町村の廃棄物の担当に、実家の片付けの扱いと、許可業者の案内を尋ねる。
- 買取業者を2社以上に査定してもらう。荷物が残った状態での価格を聞く。
- 片付けてから売った場合の見込みと、買取の価格を並べる。片付けの見積書も付ける。
- 売主として知っている不具合を、書面にまとめておく。
貴重品や権利書、通帳などは、片付けの前に家族で探します。買取業者に任せる場合も、探してほしい物を事前に伝えておきます。
出典
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条 e-Gov法令検索(確認日 2026年11月4日) https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」(確認日 2026年11月4日) https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
- 民法(明治29年法律第89号)第562条・第563条・第566条・第572条 e-Gov法令検索(確認日 2026年11月4日) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 成仏不動産「ゴミ屋敷物件買取」(確認日 2026年11月4日) https://jobutsu.jp/tadashiikaitori/service/service04/